卵が食べられへんねん。
と泣き言を聞きつけた相棒が作ったのが、自称パウンドケーキ。
「パウンドケーキというのはやなぁ。」に始まって「小麦粉とバターと砂糖をそれぞれ1ポンドずつ使こてるからそう言うんやぞ。」と飛び出して買ってきたのが無塩バターと薄力粉。
えっ!
た、卵なしでっか?
そうか、そうか、卵白だけにするんやな。
それにしても、グラニュー糖も買おてきてへんがな。
ま、まさか上白糖でケーキか?
除鉄食事でスタミナ不足のあたしが寝ている隙にパウンドケーキが出来上がった。
「ちょっと、色が黒パンみたいやなぁ。」と言いながら触ってみれば、か、硬い。
失敗を認めたもんの、言うことがこれ。
「バターがな、白くなるまでに腕が逝ってしもたんや。」
えっ?
「この暑いのにどないして卵白を泡立てたん?」と聞けば、
「せやからやなぁ。」と。
どこまでもパウンドケーキに卵は必要ないと言い張る。
こら、アカン。
「ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみて。」とてっちゃんに頼んで判明したのがこれ。
パウンドケーキ(英:pound cake)は、ケーキの一種。小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンドずつ使って作ることから「パウンド」ケーキと名づけられた。フランス語ではカトル・カール(Quatre-Quarts)といい、「四分の四」の意味。 これも小麦粉、バター、砂糖、卵の4つの材料を同量ずつ使うことに由来する。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
それでも好意で作ってくれた卵なしの上白糖製パウンドケーキ。
「一口ぐらい食べさしたろ。」と言うから、「食べたろ。」と返したが、これが一口大に切るなんてことができないのですね、硬すぎて。
「おばちゃん!金槌もってくるんや。」と甥が言うのを止めて、ギザギザのついたナイフでギーコギーコ。
この時点で味云々の問題ではなくなって、それでも食べてみれば食感は「おかき」そのもの。ケーキというよりは限りなく和製クッキーって感じ?
『よーし!今度は卵白入りのパウンドケーキや!』と叫ぶ相棒に、おっと「もうええよ」と言ってしまって、「メレンゲで。」と続けたのは、夫への愛情に他ならない。
そして、「ケーキでもクッキーでもないけど、味は旨い!そういうお菓子やと思えばな。」と言ったのは元来優しいてっちゃんであった。
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