勘違い
紅白唄合戦が後半に突入した頃、蒲団を跳ね除けたのは誰あろう哲之やった。
やっぱ回復早いなぁ。
にしても…、水垢離は止めるらしい。
『年越しは、やっぱ神社に行くんや!』だなんて…
『春日神社はお隣さんやし』と言いながら、遅い晩御飯の水炊き仕度に躍起だった。
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紅白唄合戦が後半に突入した頃、蒲団を跳ね除けたのは誰あろう哲之やった。
やっぱ回復早いなぁ。
にしても…、水垢離は止めるらしい。
『年越しは、やっぱ神社に行くんや!』だなんて…
『春日神社はお隣さんやし』と言いながら、遅い晩御飯の水炊き仕度に躍起だった。
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が除夜の鐘直前にあるから、お参りがてらに行こうね。
約束したのは一昨日。
いざ12月31日の今朝になってみれば昨晩から風邪で寝込んだ哲之さんが、深い寝息をたてている。
こらアカン!
がっかり半分、完治の願い半分…。
12月21日と12月31日と。
前者は大森復興教会のクリスマス直前に行われた礼拝だった。
実はこの日も二人で体調を崩して、七十代のベテランオルガン奏者の演奏を聴けなかったのだ。
約束を守るということ。
それにも体力が要るんだなぁ。
健康ではいられない私を知った方は、御身の健康をどうか守っていただきたい。
ねぇ、哲之さん!
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と断髪にしたものだから、テッチャンは『舞には合わへん!』と聞いた風なことを言う。
そんなことは端から分かっていたし、アップの似合う顔立ちだと幾分自負もしていたから、サロンド・ミサ(美容院)のドアを押すまで逡巡していた。
でも…。
睡眠時間を最優先せなあかん身で、これ以上ロングヘアを維持するために割く時間はなさそうに思えた。
周辺の感想はおおよそ好意的で『若くなったねぇ。』と言われて満更でもなかった。
確かに入浴時間も減り、お出かけ前のセットも要らなくなったが、髪留めが及ぼす頭痛ないことが私には一番だった。
それでも舞っている断髪写真は、甥の言う通り興ざめには違いない。
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これ以上筋肉を落とすなどという危険が冒せなくなった私は、毎日5個ほどのゆで卵を作るのが日課になった。
それでも、そうそう煮卵も「ウッ」とくるので食せない。
初秋時分は、胡瓜や長芋と和えて三杯酢が美味しかったけど、こう寒さが厳しくなると生野菜は気が進まない。
「そうや!ここはマヨネーズをちょっと使おっ。」
結果は惨々たるもの。
久しぶりに口にしたマヨネーズの何と脂臭く黄身臭いこと。
ことほど左様に凡人の考えは愚かであった。
しゃあない。
これはてっちゃんに持たせることにして、次は「ピュアハーフ」とやらの高級マヨネを買おてきたろ。
そこに紫をちょっと落としたりなんかすると「案外にイケルかも」って、昨日買ってもらった携帯電話ケースをフリースで作りながら、愚かな私がまた思いつく。
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除鉄食事が効を奏したのもつかの間、除タンパク質食事でもあった現実を突き付けられるのに、そう時間はかからなかった。
日に日に脂肪が落ちていく様ほど心地良いことはなかった。
しかしながら膝裏の腫れがもとで、合気道にも地唄舞にも支障をきたし始めた時、筋肉までも削ぎ落とされていたことに、非常なショックを受けた。
異変は自身の気力や努力とは何の関係もないところでも起こっていた。
今度は鳩尾の痛みだった。
何度も経験した胃酸過多とは全く異なる症状に、『きたな!』という、病気の連鎖に戦いた。
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分かったことが色々ある。
甥との生活は、経済的な問題さえなければ続けていくべきだと考えていることこそ、大間違いだったこと。
それを哲之さんは端から承知の上だったこと。
厳然として今ここにあるのはかつてない程の至福であるのはもしかして…
母を、妹家族を、そして甥を家族であるのだからと受け入れた哲之さんの器こそが、今に至らしめたのか?
順に考えを進めていくにつれ、何とまあ私は感情で生き哲之さんは理性で生きているもんだ。
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disneymobileがやってきたんだ。
確かに以前から、TVで表示される度に『あれがめっちゃ欲しいねん!』とは言うてた。
でも…
哲之さんが買うてくれた理由は、きっと違う。
1月5日に内視鏡受検を決心したご褒美。
素面で内視鏡を鼻腔に挿管されることはないと、石井せんせから納得させられた。
やっぱり不安が心を過ぎるけど、それでも久しぶりのウキウキ!
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唐揚げが食べたかった!
売っているのは酸化してる油だったりするので諦めた。
若鳥のささみと若鳥の胸肉は食べ飽きていた。
胸ムカッを避けたかった。
先ず哲之さんが『カドヤ』で買ってきたバージンオイルを、徐に小鍋にドクドクと流し込んだ。
ごぼうを笹がき?否小さな葉っぱに刻んだ。
相棒が怒る!
「それを(唐揚げを)やるんやったら、サラダ油を買ってくるのに…」
知るか、そんなもん!
それほどにから揚げを食べたかったんやもん。
そして、オリーブオイルの中で葉っぱ牛蒡が揚がる音がしてきた。
部屋中オリーブオイルの良いの匂いが満喫する中、相棒が口に含んで「旨い!」
な、ほんまは私、料理が上手なんよ。
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